富山県魚津市と黒部市にまたがる僧ヶ岳（そうがだけ・1885m）は、飛騨山脈（北アルプス）立山連峰の北端に位置しています。僧ヶ岳は海に近く遮るものがないことから冬の季節風を強く受け、比較的低い標高ながら高山にも匹敵する特異な植生が見られます。西に開いた谷に吹き込む風が集まる稜線の風上側では、強烈な風で雪が吹き払われるため、薄い積雪からはみ出すような高木は育たず草原や低木林となる風衝植生が発達しています。逆に季節風の死角となる風下側やくぼ地は雪が吹き溜まり、遅い雪解けの後の短い期間に草本類や苔類低木が育成する雪田植生も見られます。一方で僧ヶ岳は春の季節を告げる風物詩雪形（雪絵）の山として、魚津や黒部の人々に親しまれています。

• 緯度：36.761766°
• 経度：137.563702°
• 標高：1856m