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玉滴石産地の新湯

 立山温泉新湯はいわゆる「立山カルデラ」内で、弥陀ヶ原(立山)火山の水蒸気爆発によって岩石が吹き飛ばされてできた爆裂火口に水(温泉)が湧出したものである。  飛越地震(1856)の時、それまで冷泉であったものが温泉になったという。いわゆる間欠泉で、当時は一時温泉水が涸れていたこともあったようだ。その後あまり枯れることはなかったようであるが、最近時々涸れることがある。  立山温泉新湯の温泉水はシリカ(二酸化珪素SiO2)を多量に含んでいる。温泉水が地下から湧出し、溶けきれなくなったシリカが数1,000分の1mm程度の微小なコロイド状の球状体として温泉水中に析出している。これらのシリカの球状体の一部は合体し球径を増しながら沈殿して白色の蛋白石を形成し、また一部は温泉水中に巻き上げられた砂粒に付着して1mm ~ 数mmに成長して玉滴石を形成している。  また、一部のシリカの球状体は温泉水の流れの中で倒木の木材組織の中に浸潤して珪化木を形成している。珪化の速度は7年で40%程度と非常に速い。

  • 緯度:36.5549°
  • 経度:137.5759°
  • 標高:1626m

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