見聞録ミニツアー
「歩いて手繰る 立山黒部ジオパーク見聞録」立山黒部ジオパークエリア内のみどころを分かりやすく紹介したガイドブックです。
この見聞録から日帰りで行ける、ミニツアーコースを5つ紹介します。
家族や友達と、また一人でゆっくりとコースを歩きながら、長い時間をかけて生まれた奇跡の地形や美しい風景、貴重な文化をお楽しみください。
本の中では、立山黒部ジオパークエリア内のみどころについて、「山岳」「山間部」「扇状地~平野」「海」の4章に分けて紹介しています。実際に訪れた筆者が見たこと感じたことに加えて、専門家による解説等も入っており、「富山の宝もの」をより深く理解できる読みごたえのある一冊となっています。
歩いて手繰る 立山黒部ジオパーク見聞録- B5版
- 151ページ
- 販売価格
- 1,800円(税別)
*県内各書店で好評販売中!
1-2 黒部峡谷 祖母谷(ばばだに)を訪れて(見聞録P12~15)<黒部市>
黒部峡谷は飛騨山脈誕生のヒストリーを解き明かす証拠の宝庫です。祖母谷温泉辺りの左岸に露出するパンダ模様の「黒部川花崗岩」の岩盤は一級の資料であり、温泉の噴出は地下のマグマだまりが今なお存在する証拠です。 黒部川が作った深さ2000mにもおよぶ日本一深い峡谷は、切り立った花崗岩の壁に黒部川急流の波しぶきがぶつかり、美しい峡谷美が見られます。
- 北陸自動車道黒部ICから黒部峡谷鉄道 宇奈月駅まで、車で約20分
- 北陸新幹線 黒部宇奈月温泉下車 富山地方鉄道 新黒部駅から宇奈月温泉駅まで、約25分
宇奈月温泉駅から黒部峡谷鉄道宇奈月駅まで、徒歩で約10分 - 黒部峡谷鉄道 宇奈月駅から欅(けやき)平まで、トロッコ電車で約1時間20分
- 出発点
- 黒部峡谷鉄道 欅平駅
- 徒歩約5分
- 奥鐘橋
トロッコ電車の終点が欅平です。
欅平ではトレッキングや温泉巡りなどを楽しむことができます。
奥鐘橋は、黒部川本流にかかる赤い橋で川底から34mの高さに架かっています。日本一深い峡谷の絶景を楽しみましょう。- 徒歩約2分
- 人喰岩
巨大な岩壁をくり抜いて道がつくられています。中にいる人を食べてしまうように見えます。
- 徒歩約50分 上り坂
- 祖母谷温泉
名剣温泉を越え、長い登りのトンネルを抜け、黒部の秘湯、祖母谷温泉へ。源泉が河原から湧き出していて、硫黄のにおいが漂っています。
- 黒部川花崗岩(転石)
河原や対岸の崖には、飛騨山脈の急激な隆起によって地表に現れている日本一新しいといわれる黒部川花崗岩が見られます。白黒のまばら模様なのでパンダ石の愛称をつけています。
- 徒歩約60分
- 河原展望台足湯
奥鐘橋を越えてすぐの下り階段降りて、河原展望台へ向かいます。足湯で、疲れをほぐしましょう。
*30分程度で行ける猿飛峡は、2022年1月現在、遊歩道の工事のため通行できません。- 徒歩約10分 急な登り階段
- 欅平駅
1-7 激しい流れが大地を削る称名滝(見聞録P36~39) <立山町>
立山に源を発する浄土川は称名川となり、弥陀ヶ原高原を深く侵食して渓谷や悪城の壁をつくり、日本一の落差350mの称名滝をつくりました。この滝の位置は年々後退し、立山駅から7万年をかけて現在のこの位置まで移動してきました。
- 富山地方鉄道 立山駅から称名滝探勝バス称名滝行きで称名滝バス停下車、約20分
- 北陸自動車道 立山I.C.から称名平駐車場まで、車で約50分
- 悪城の壁
称名渓谷へ向かう道路沿いの対岸に見られる高さ500mの断崖絶壁です。弥陀ヶ原を雪崩が削り取り、スプーンで削ったような形をした壁が見られます。
- 出発点
- 称名滝探勝バス 称名滝バス停、称名平駐車場
- 徒歩1分
- 称名滝展示館
2021年秋に改装して、中がとてもきれいになりました。
写真やジオラマ、歴史資料などが展示してあります。- 徒歩30分
舗装してありますが、上り坂なので、
小さいお子さんやお年寄りには、ちょっと大変かもしれません。時間をかけてゆっくりと。 - 称名滝展望台
向かって左側に落差日本一の称名滝があり、春には右側のハンノキ滝が見られます。
連続落差350mの大迫力の姿は見るものを圧感させます。春には優しい新緑、秋には美しい紅葉が見られます。称名滝展望台上の水原秋桜子の句碑があります。
「青雲に わく瀧青き 霧へ落つ」(昭和32年作)- 徒歩約30分
- 称名滝探勝バス 称名滝バス停、称名平駐車場
2-5 大岩山日石寺 凝灰岩の巨岩に彫られた摩崖仏を訪ねる
(見聞録P66-69)<上市町>
富山県東部にある上市町は、アルピニストのあこがれの山「剱岳」の入口でもあります。
その麓にある「大岩山日石寺」を訪ね、神秘的で霊気漂う「不動明王摩崖仏」と癒しの渓谷「千巌渓」を訪ねます。
- 富山地方鉄道 上市駅より→町営バスで大岩バス停まで、約30分
- 上市駅より車で、約10分
- 北陸自動車道 上市スマートI.C.より車で、約18分
- 北陸自動車道 立山I.C.より車で、約15分
*駐車場は大岩バス停付近にもありますが、車で約2分上った日石寺近辺にもあります
- 出発点
- 上市町営バス 大岩バス停
- 百段坂
まずは日石寺本堂を目指します。赤い手すりのある灰色や緑色をした凝灰岩の石垣を見上げながら、二百段近い階段を上ります。
- 大岩そうめん
百段坂といわれる石段の参道沿いは、門前街と呼ばれ、お店で出される「大岩そうめん」や「水だんご」はこの地の湧水で調理される人気の一品です。
- 徒歩約10分
- 日石寺本堂
大岩山日石寺は真言密宗の大本山として知られ、行基菩薩が大岩川の岩に不動明王を刻んだことが起源と伝えられています。この摩崖仏は「国指定史跡」及び「国指定重要文化財」の二重指定を受けています。
この岩は凝灰岩というもので今から1千万年前ごろの火山の噴出物からできています。- 徒歩約1分
- 六本滝
滝業が体験できる六本滝。六本滝での滝行は、白装束に身を包み、六大(地、水、火、風、空、識)をあらわす6つの竜頭から落ちる滝に打たれ、六欲煩悩を洗い落とすといわれています。
- 徒歩約5分
- 千巌渓
大岩川が凝灰岩を削り、深い樹木に囲まれた渓谷です。
木も岩も小さな石仏も、緑色の苔におおわれて、ごつごつとした凝灰岩の岩肌を流れる滝の白い水しぶきが美しく癒しのスポットになっています。- 徒歩約15分
- 上市町営バス 大岩バス停
3-6 富岩運河環水公園(見聞録P104~107) <富山市>
かつて神通川は富山城の北側で大きく蛇行しており、洪水の際に市街を水浸しにする暴れ川でした。
現在、旧河道は富岩運河環水公園とつながり、日本一大きな運河になり観光船が運航されています。
ここを散策すると、神通川の治水・利水に関する先人の足跡がしのばれます。
- 北陸新幹線 富山駅下車
- 出発点
- 富山駅
- 徒歩約15分車約6分
- 富山市役所展望塔
富山市役所の展望塔から立山連峰や富山湾、富山市街地を一望できます。真下に見える松川はかつて神通川が流れていた旧河道になります。
- 徒歩約25分車約10分
- 富岩運河環水公園
富岩運河は、旧河道に残る水路です。アーチ形の橋が公園のシンボルになっていて、周りにはカフェや美術館などが立ち並び富山市民の憩いの場になっています。
- 徒歩約5分
- 運河沿いの遊歩道
河を掘った土砂を利用して、曲折して氾濫を繰り返していた神通川沿岸の荒野を埋め立て、新しい運河を作りました。運河沿いには桜が植えられ、休みの日にはたくさんの人たちが散歩やジョギングを楽しみます。
- 徒歩約25分
- 中島閘門
水のエレベーターがあり、水門の上流と下流側の水位の調節をしています。運河を行きかう観光船に乗ると、中島閘門を経て河口のまちの岩瀬まで足を運ぶことができます。
- 徒歩約40分
- 富山駅
3-8 呉羽山丘陵 (見聞録P116~119) <富山市>
富山平野の真ん中を貫く長さ7㎞ほどの呉羽丘陵。なぜ平野の真ん中に丘陵があるのか不思議に思い探ってみると、ーーそこは立山連峰の絶景スポットであると共に、地学的なみどころの宝庫でもありました。断層運動により隆起した地形を巡りながら、大地の痕跡が凝縮した道を歩きましょう。
- 富山駅から富山地方鉄道市内電車 大学前行きで大学駅前まで、約15分
- 富山駅から車で富山大学前まで約20分
- 出発点
- 市内電車 大学前駅
- 徒歩約15分
- 井田川の旧河道
富山大学から北に向かって歩いていくと用水路が多くあり地形の高低差も多い地域になります。ここはかつて井田川などが流れ、地形が低くになったといわれています。
- 徒歩約5分
- 富山市民俗民芸館村 陶芸館裏の地層
コンクリート枠の中に地層が見えますが、右斜め60度に傾斜しています。写真右側の活断層で隆起した部分が神通川で削られたため、傾きの一部が見られるだけです。この地層からは生痕化石を見つけることができます。
- 徒歩約10分
- 呉羽山礫層の路頭への入口
呉羽山老人福祉センター横にある斜面を少し入っていくと呉羽山礫岩層の路頭を見ることができます。小さく角が丸くなっている礫岩からは、約70万年前の川の石が堆積したものであることがわかります。
- 徒歩約10分
- 呉羽山展望台
1300年前に立山を開山したといわれる「佐伯有頼」像が指さす方向に富山の街並みとその向こうに立山連峰が見渡せます。3000m級の山々を一望できる立山黒部ジオパークおすすめの絶景スポットです。
- 徒歩約30分
- 市内電車 大学前駅