エリア情報
- 後立山連峰エリア
- 朝日エリア
- 黒部川扇状地エリア
- 黒部峡谷エリア
- 片貝川・早月川エリア
- 上市川・白岩川エリア
- 立山エリア
- 黒部川源流エリア
- 富山平野エリア
- 神通川エリア
- 八尾・山田エリア
- 富山湾エリア
後立山連峰エリア
標高2932mの白馬岳を最高峰とし、急速な隆起で形成された北アルプスの北端部のエリア。西側は緩く傾斜するのに対し、東側は鋭く切れ落ちる非対称山稜をなす。氷河時代の生き残りである高山植物やライチョウが生息する。
朝日岳ジオサイト
標高2148mの朝日岳を中心とする高山地帯のサイト。急峻な地形と高山植物を特徴とし、飛騨外縁帯の構成岩類(古生代の堆積岩、蛇紋岩など)の地質を有する。
白馬岳ジオサイト
標高2932mの白馬岳を中心とし、雪倉岳から鑓ヶ岳を含むサイト。山頂の西側は緩やかで、東側は急峻な非対称山稜を示す。多くの高山植物が分布し、飛騨外縁帯の構成岩類(古生代の堆積岩、蛇紋岩など)の地質を有する。
鹿島槍ヶ岳ジオサイト
唐松岳から五竜岳を経由し、後立山の主峰である鹿島槍ヶ岳を含むサイト。北アルプスの急激な隆起を物語る黒部川花崗岩などが分布する。
朝日エリア
富山県北東部の朝日県立自然公園を含むエリア。境川流域では大陸時代の地層や化石を見学でき、海岸では昔から人々を魅了してきたヒスイの礫を拾うことが出来る。恐竜時代の化石、ヒスイなど太古のロマンを感じることができる。
ヒスイ海岸ジオサイト
海岸侵食を示すヒスイ海岸(宮﨑・境海岸)周辺のサイト。ヒスイ海岸には多くの種類の岩石の礫があり、岩石の学習に最適。運が良ければヒスイも拾うことができる。浜山玉つくり遺跡ではヒスイの工房跡が発見されている。
境川ジオサイト
大陸だった時代の地層や化石を観察できる。境川下流域には中生代ジュラ紀後期?白亜紀前期の手取層群が分布し、植物化石を産出する。境川上流域には中生代ジュラ紀前期の来馬層群が分布し、アンモナイトなどの海生動物化石を産出する。
小川ジオサイト
小川周辺のサイト。小川温泉元湯の石灰華や、黒菱山断層に関連する黒菱山断層露頭や七重滝がある。
黒部川扇状地エリア
黒部川により運搬された砂礫が堆積してできた地下水が豊富な臨海扇状地。扇状地上では用水を使った水田が発達し、扇状地末端部にある「黒部川扇状地湧水群」は水温がほぼ一定であり、沢スギが群生し、トミヨが成育し、共同洗い場として利用されている。入善沖には世界的な海水準の変動を示す海底林が発見されている。
黒部川扇端湧水ジオサイト
黒部川扇状地の扇端部にあるサイト。水量豊富で清涼な湧水群は、生活水としても使われ、沢スギの群生を生育している。入善沖の海底林は世界的な海水準変動を示す貴重な証拠である。
黒部川扇央ジオサイト
黒部川扇状地の扇央部にあり、霞堤や様々な水制など黒部川の治水を学習するのに適したサイト。扇状地には、洪水により作られた微地形が残り、散居村の発達や河川由来の集落名など、黒部川の歴史や文化も学ぶことができる。
舟見野ジオサイト
舟見野台地周辺のサイト。愛本新遺跡、不動堂遺跡などの遺跡では、縄文時代の人々の暮らしを想像することができる。
黒部川扇頂ジオサイト
黒部川扇状地の扇頂部にあり、緻密なデイサイトにより侵食されにくく狭窄部をもつサイト。狭い川幅と急流に対応した刎橋の架橋と集落形成、用水の合口化、水神社など、水と人との関わり合いの深い地域である。
十二貫野ジオサイト
黒部川の支流から取水した十二貫野用水により、旧扇状地上にかんがいされたサイト。江戸時代の新田開発の歴史のほか、谷を渡す伏せ越しの理やため池、巻江など水を大切に使い切る先人の知恵を学ぶことができる。
黒部峡谷エリア
北アルプスの隆起と世界有数の急流河川である黒部川の侵食作用で形成されたエリア。花崗岩から日本最古の鉱物ジルコン(約38億年前)が発見されている。またそれとは別に、約80万年前の世界で最も新しい花崗岩も発見され、この地域が辿った大地の変遷と第四紀隆起の激しさを物語る。高度経済成長期の電力需要を支えた黒部ダムがある。
宇奈月ジオサイト
大陸同士の衝突を物語る十字石や、北中国地塊との関連が深いことを示す約38億年前のジルコンを産出し、大陸との関係を考える上で重要なサイト。県内最大の温泉地である宇奈月温泉を有する。
欅平ジオサイト
黒部峡谷鉄道の終点である欅平を中心とし、黒部川の侵食を感じることのできるサイト。猿飛峡や錦繍関などの景勝地がある。また小黒部谷や不帰谷には大規模な崩壊地がある。
下廊下ジオサイト
黒部川の両岸が絶壁となり、S字峡や十字峡などの景勝地や、黒部ダムや高熱隧道など水力発電に関する地点が充実したサイト。
片貝川・早月川エリア
世界有数の急流河川である片貝川と早月川周辺のエリア。両河川の上流域では飛騨帯の岩石や松倉金山などの鉱山跡を観察できる。中流域の段丘には日本海形成時の火山活動、生物を学ぶことが出来る。下流の扇状地では用水が発達し、水田が広がる。扇状地末端部は湧水が豊富にあり、その地中から過去の海水準変動の証拠である埋没林が発見されている。また、タテモン行事、ネブタ流しなどの海に関する民俗行事も伝えられている。
片貝川扇状地ジオサイト
主に片貝川扇状地ならびに旧扇状地の段丘からなるジオサイト。扇状地上の田畑に水を配る利水施設などが見学でき、リンゴなど扇状地上の実りも楽しめる。海岸沿いの扇状地末端部湧水地帯の地中からは、海水準変動の証拠である魚津埋没林が発見されている。
早月川扇状地ジオサイト
早月川扇状地上のジオサイト。扇状地上では扇端部の湧水帯やそこに生息する生物を観察することができる。また、早月川河口付近では中流域の形態を保ったまま海へ注ぐ急流河川の様子を、河原の転石や植物、水中の生物などから学ぶことができる。
東福寺野ジオサイト
旧早月川扇状地の段丘と、段丘堆積物の基盤に日本海が作られた時代の地層が分布するジオサイト。日本海形成期の地層では、当時の火山活動の様子や生き物を学ぶことが出来る。一方段丘面上では、地形の起伏などから飛騨山脈の隆起を身近で感じることが出来る。
僧ヶ岳ジオサイト
古くから地元で僧や大入道などの雪絵(雪形)が親しまれてきた僧ヶ岳一帯のジオサイト。地質の変化、地形、冬の季節風の当たり方による積雪量の変化など、多様な環境に適応した、植物の変化を観察することが出来る。
片貝川ジオサイト
片貝川上流~中流域のジオサイト。上流の谷沿いでは、大陸時代が衝突する時代を表す飛騨帯の岩石を連続して観察できる。中流域では日本海が作られた時代の地層が分布する。また、上流の南又谷の斜面には地形と気候に適応した杉の巨木群、洞杉がみられる。
早月川ジオサイト
早月川流域から角川流域にかけてのジオサイト。下田金山や松倉金山などの鉱山跡があり、かつて越中七金山と呼ばれた鉱山のうち4つがこのサイト内にある。早月川沿いや中山からの剱岳の展望は人気があり、氷河地形なども観察できる。
上市川・白岩川エリア
エリア上流部では飛騨片麻岩類や手取層群、中流部では新生代の貝化石や呉羽山礫層などを観察することが出来る。下流部では稚子塚や竹内天神堂古墳などの古墳が点在する。
上市川ジオサイト
上流部は飛騨片麻岩類、手取層群からなり、中流部は新生代の地層からなる。北アルプスの隆起の時期を考える上で重要である呉羽山礫層に挟まれるテフラを観察できる。
白岩川ジオサイト
白岩川と大岩川の流域を含むサイト。白岩川下流域には稚子塚や竹内天神堂古墳などの古墳がある。大岩川上流域の種地区には地滑りできた池が点在し、大岩山日石寺の磨崖仏は新生代の凝灰岩からできている。
立山エリア
様々な時代の花崗岩、火山活動により形成された溶岩台地、地獄谷、侵食によりできた立山カルデラなどを含むエリア。更に氷河地形、高山植物、ライチョウなど最終氷期の名残を見ることができる。近年、国内初の氷河が御前沢雪渓などで発見された。春には世界有数の豪雪地帯を物語る高さ20mに達する雪の大谷を見学できる。
立山・剱岳ジオサイト
立山(雄山、大汝山、富士ノ折立の総称)と剱岳は立山連峰の中核をなす花崗岩の山。山崎圏谷、御前沢圏谷、内蔵助圏谷、剱沢圏谷などの圏谷、御山谷、三ノ窓谷、小窓谷などの氷食谷、八ッ峰や源次郎尾根などのアレートといった国内有数の規模を誇る氷河地形が多数分布する。また、国内唯一の現存氷河(御前沢氷河、三ノ窓氷河、小窓氷河)を有する山である。
室堂平ジオサイト
今から4万年前までに立山火山から流れてきた溶岩によってできた溶岩台地。台地上とその周辺にはミクリガ池や地獄谷など4万年前以降におこった水蒸気爆発の爆裂火口が分布。また、高地に現存する山小屋としては日本最古の立山室堂がある。
立山カルデラジオサイト
室堂平~弥陀ヶ原の南側に位置する東西約6.5km、南北約4.5kmの楕円形の巨大な窪地。立山火山の崩壊と侵食によってできたカルデラ様の地形。南部には日本三大崩れのひとつ鳶崩れがあり、中央部には泥鰌池や多枝原池など崩壊土砂によるせき止め湖がある。新湯や立山温泉跡では現在でも活発な温泉の湧出がみられる。
弥陀ヶ原ジオサイト
今から10万~9万年前に立山火山から噴出した大火砕流がつくりだした長さ12 kmの溶結凝灰岩の台地。称名川右岸の台地が大日平。弥陀ヶ原台地の東半分はガキ(餓鬼)田と呼ばれる池塘が1,000近く点在する雪田草原(ラムサール条約登録湿地)、西半分はタテヤマスギとブナに覆われた森林になっている。
美女平ジオサイト
弥陀ヶ原台地の西端部を美女平とよぶ。かつての立山登山のコースである材木坂には15万~10万年前に立山火山から流れ出た溶岩が柱状に割れてできた材木石(柱状節理)が露出している。
称名渓谷ジオサイト
称名滝の下刻作用が、立山火山の火砕流台地を約10万年かけて削り出した称名渓谷は、火と水が造り上げた自然の彫刻ともいえる。滝の下流、称名川の左岸には悪城の壁とよばれる長さ2km、高さ500mに達する切り立った断崖があり、表面にはアバランチシュートとよばれる全層雪崩による雪食地形が連続してならんでいる。
常願寺川ジオサイト
常願寺川中流域のジオサイト。サイトの中心に立山信仰の里である雄山神社中宮祈願殿があり、極楽坂山頂展望台などアクセスのよい立山連峰や富山湾の展望地がある。
有峰ジオサイト
有峰湖を中心とするサイト。有峰には室町時代すでに人が住んでいたが、高度経済成長期のダム建設により水没した。亜高山帯?山地帯の豊かな植生が広がり、有峰県立自然公園に指定されている。湖周辺には中生代ジュラ紀後期?白亜紀前期の手取層群が分布する。また活断層の跡津川断層が横切り、断層の露頭を観察することができる。
黒部川源流エリア
祖父岳火山により形成された溶岩台地である雲ノ平を中心とするエリア。黒部五郎カールなどの氷河地形や、下ノ黒ビンガ、上ノ黒ビンガなどの黒部川により侵食された大岩壁があり、火(熱)と氷と水が造り上げた地形や地質を楽しむことができる。
薬師岳ジオサイト
大きな山容をもつ薬師岳を中心とするサイト。薬師岳の東斜面にかつて氷河が発達していたことを示す、圏谷群がある。薬師岳は薬師如来の浄土として、山岳信仰の対象である。主に手取層群や古第三紀の火山岩類からなる。
上廊下ジオサイト
黒部峡谷上流部にある両側が切り立った崖が続くサイト。下ノ黒ビンガ、上ノ黒ビンガなどの花崗岩からなる大岩壁がある。沢登りの愛好家が多く集まる
雲ノ平ジオサイト
日本最後の秘境とよばれ、新生代第四紀更新世前期-中期に活動した雲ノ平火山により形成された溶岩台地である。なだらかな台地上は高山植物の宝庫で、点在する池塘と火山岩などが生み出す自然美が幾つもの庭園風景を形作っている。
水晶岳ジオサイト
水晶岳と野口五郎岳を含む、標高約3,000mの山岳地からなるサイト。水晶岳と野口五郎岳にはカールと馬蹄形のモレーンが発達している。
黒部五郎岳ジオサイト
最終氷期に形成された黒部五郎圏谷の氷河地形があり高山植物の宝庫である。三俣蓮華岳の山頂は富山県、岐阜県、長野県の県境となる。
北ノ俣岳ジオサイト
北ノ俣岳と寺地山からなる山岳地のサイト。中生代ジュラ紀後期-白亜紀前期の手取層群が分布する。北ノ俣岳には周氷河地形として構造土が発達する。
富山平野エリア
世界有数の急流河川の一つである常願寺川の土砂が形成した扇状地と平野からなるエリア。エリア西部は呉羽山断層の活動により隆起した呉羽山丘陵がある。常願寺川による水害と治水の歴史、活断層と地震、イタイイタイ病など、人と大地の関わり合いを学ぶことが出来るエリア。
常願寺川扇頂ジオサイト
佐々成政が造った堤防の佐々堤や常西合口用水など常願寺川の水と密接なサイト。常西合口用水は富山平野を潤している。富山地区広域圏クリーンセンターでは立山連峰と富山平野を臨むことが出来る。
常願寺川扇央ジオサイト
土石流や洪水による水害と治水の歴史と関連深いサイト。大場の大転石などの直径数mの大転石は土石流の激しさを物語り、常願寺川の霞堤は洪水の勢いを弱めるため作られた。「鳴龍」で有名な正源寺は水の守り所として信仰を集めてきた。
常願寺川扇端ジオサイト
人による河川の利用を考えることのできるサイト。富山城は神通川の流路を天然の外堀として使い「浮城」とよばれた。富山市役所展望台からは立山連峰や富山平野を望むことが出来る。
呉羽山丘陵ジオサイト
断層の活動により傾いた地層や、飛騨山脈の隆起を示す第四紀の扇状地堆積物である呉羽山礫層などを観察することができる。また、呉羽山丘陵の北西部には縄文海進時に広がった旧放生津潟沿いに形成された貝塚がある。小竹貝塚からは縄文時代前期の合計91体もの人骨が発見されている。サイトの南部にはカドミ汚染田復元の碑が点在し、公害(イタイイタイ病)について考える重要な地域となっている。
神通川エリア
神通川の侵食により形成された峡谷とその周辺にひろがるエリア。日本海形成時の火山活動によってできた溶岩や、楡原の衝上断層、猪谷の背斜、向斜などダイナミックな地殻変動を示すサイトがある。また、中生代白亜紀前期の手取層群が分布し、国内最大級の恐竜足跡化石群が発見されている。大陸時代、日本海の誕生時代の地層や化石を観察できる。
猪谷ジオサイト
神通川の侵食により形成された神通峡とその周辺にひろがるサイト。白亜紀前期の手取層群が褶曲してできた猪谷の背斜・向斜は大地の力を感じる事ができる。猪谷関所跡は越中と飛騨を結ぶ飛騨街道の要衝の地であった。
楡原ジオサイト
日本海拡大前の扇状地性堆積物である楡原層、日本海形成時の火山活動によってできた岩稲層(溶岩や凝灰岩)、ダイナミックな地殻変動を示す横山楡原の衝上断層などがある。
恐竜足跡化石群ジオサイト
恐竜や翼竜類、鳥類の約500個の足跡化石が発見されたサイト。恐竜の足跡化石の露頭としては国内最大。アンキロサウルス類の足跡化石は国内で本サイトと富山市内の別の場所の2箇所のみで発見されている。
八尾・山田エリア
新生代新第三紀の化石を多く産出するエリア。亜熱帯のマングローブ、深い海、寒流が入り込んだ海などに生きていた化石を産出し、さまざまな環境を経て成り立つ大地の歴史を学ぶことができる。
八尾ジオサイト
新生代新第三紀中新世の化石を多く産出するサイト。亜熱帯のマングローブ、深い海、寒流が入り込んだ海などに生きていた化石を産出する。
山田ジオサイト
新生代新第三紀中新世-鮮新世の地層とその化石を見学できるサイト。丘の夢牧場では呉羽山断層帯の断層地形を観察する事ができる。
白木峰ジオサイト
主に飛騨変成岩類からなる隆起準平原のサイト。湿原にはガキ田が点在し、夏にはニッコウキスゲが咲き多くの登山客を魅了している。
富山湾エリア
深さ1,000mに達する、駿河湾、相模湾に次ぐ日本有数の深海湾。蜃気楼やホタルイカなど富山湾の自然を観察できるエリア。湾に流れ込む豊富な河川水により、栄養に富む沿岸表層水が形成され豊富な魚介類を養っている。
蜃気楼・ホタルイカジオサイト
蜃気楼やホタルイカなど富山湾独特な自然を観察できるサイト。また立山連峰や富山湾の展望地がある。
岩瀬浜ジオサイト
岩瀬浜を中心とする海岸地帯のサイト。晴れた日は立山連峰の眺望が良く、春の夜には神秘的なホタルイカの身投げを観察することができる。